コミュニティーFM局「横浜マリンFM」の開局準備が横浜市中区で進んでいる。2011年の東日本大震災でラジオが重要な情報源になったことをきっかけに活動が始まり、約5年かけて環境を整えてきた。地元商店街が設置したコミュニティーカフェのスタジオを拠点に、街のイベントや生活情報なども提供。災害時の情報発信と、放送を通じた地域活性化が目的だ。

 開局に向けて動いているのは「横浜マリンFM開局準備室」代表の笹原延介さん(52)。本牧出身で、地元で音楽関係の仕事に携わっている。

 笹原さんは東日本大震災の約3カ月後に、福島のラジオ局を訪問。給水車がいつ、どこに来るかなど、住民が求める情報がきめ細かく発信される様子を間近で見た。「ラジオは子どもからお年寄りまでが使える。海が近い中区にもコミュニティーFM局が必要」と実感し、13年から活動を開始。地域の協力も受けながら、独自の番組をインターネット上で公開するなどして準備を重ねてきた。都市部は電波の空きが少ないため難航したものの、来年3月に開局の見込みになった。
「ホンモクベース」の室内はバリアフリーで、誰でも使いやすいことが特徴だ
 
  情報は、本牧リボンファンストリート商店会(同区)が運営するコミュニティーカフェ「HOMMOKUBASE(ホンモクベース)」内のスタジオから発信する。

 同所は誰でも立ち寄れる場として今年3月に開設。商店街の店主が日替わりでカフェを担当し、トイレや授乳室もある。スタジオは、地域住民らに商店会の情報を発信し、店を知ってもらおうと設置。同商店会会長の羽生田靖博さん(61)が笹原さんに声を掛け、横浜マリンFMも利用することになった。羽生田さんは「コミュニティーFMの役割には地域の活性化もある。商店街の魅力は人。店主の人となりをうまく伝えるなどの発信をしてもらえたら」と期待する。

 災害時に役立つためには、普段から放送を聞いてもらうことが必要だ。そのため、商店主や行政関係者が出演する番組や、学校の行事、花の開花状況など地域に密着した情報を放送しようと考えている。災害に対応するため、24時間放送を予定。中区を中心に西、南、磯子各区の一部でも受信できるという。
 
 誰でも分かり、愛着が持てるよう選んだ「マリン」という名前には「スタッフは同じ船に乗った仲間」というイメージも込めている。笹原さんは「みんなが参加する放送局にしたい」と意気込んでいる。

 ホンモクベースは午前11時~午後7時。無休。問い合わせは、リボンファンストリート商店会事務局電話045(622)4411。

カナロコ